共働き世帯の「生命保険見直し」完全攻略——年間5〜15万円削減も可能な最適化テクニック

「毎月の保険料が家計を圧迫している…」「本当にこの保障は必要?」 共働き世帯の生命保険は、独身時代の延長や提案どおりの加入で“過剰保障”になりがち。本記事では、公的保障・会社制度の確認を前提に、共働きならではの保険設計、不要保障の見極め、具体的な見直し手順まで解説。年間数万円〜十数万円の削減も狙える実践ノウハウをまとめました。

目次

共働き世帯が陥りがちな「保険の5つの罠」

罠1:独身時代の保険をそのまま継続

  • 配偶者収入・公的保障を加味せず、過剰な死亡保障を放置
  • 年間の無駄:目安3〜8万円

罠2:「夫婦同額保障」の思い込み

  • 世帯への収入寄与や子の年齢が異なるのに一律設計
  • 年間の無駄:目安2〜6万円

罠3:不安煽りによる画一提案

  • 「大学まで3,000万円」等、配偶者収入・遺族年金を無視した積み上げ
  • 年間の無駄:目安5〜12万円

罠4:「保険で貯蓄」の非効率

  • 学資・終身の貯蓄重視は低利回り・低流動性になりがち
  • 機会損失:年1〜4万円相当

罠5:特約の重複・過剰

  • 医療・がん・介護等の特約が重なり高コスト化
  • 高額療養費・会社補助の見落とし
  • 年間の無駄:目安2〜5万円

合算で年10〜30万円のムダが眠っている世帯も。まずは「保険一覧」と「公的保障・会社制度」を見える化しましょう。


本当に必要?共働き世帯の保険優先順位ランキング

※保険料は年齢・健康状態・喫煙・期間・加入経路で大きく変動します。以下は考え方の軸です。

【最優先:絶対必要】

1位:収入保障保険(毎月給付型の定期保障)

  • 理由:万一時の生活費の“月々の不足”を埋めるのが最優先
  • 共働き調整:
    • 主要収入者:月8〜12万円×子育て期間
    • 副収入者:月4〜8万円×子育て期間
    • 団信加入なら住居費分は圧縮可
  • 年間保険料目安(参考):夫婦合計2〜5万円

2位:就業不能保険

  • 理由:死亡より“働けない”リスクの方が発生確率が高い
  • 設計:手取りの50〜60%(待機・支払期間は要検討)
  • 年間保険料目安:夫婦合計2〜4万円

【中優先:条件次第で必要】

3位:医療保険(入院・手術)

  • 理由:高額療養費で自己負担は上限あり。ただし差額ベッド代・先進医療等は対象外
  • 設計:日額5,000円程度のシンプル型+先進医療特約で十分なことが多い
  • 年間保険料目安:夫婦合計2〜3万円

4位:がん保険

  • 理由:通院長期化・収入減に備え“まとまった給付金”が有効
  • 設計:診断給付金重視(100〜200万円)、通院保障は必要性を吟味
  • 年間保険料目安:夫婦合計1〜2万円

【低優先:原則不要(目的が明確なら例外)】

5位:終身保険

  • 原則:貯蓄・投資はつみたてNISA等で、保険は“万一の保障”に分離
  • 例外:葬送費の確保/相続対策等、目的が明確なら少額で

6位:学資保険

  • 原則:返戻率・流動性の面から投資と区分して考える
  • 代替:教育費専用のつみたてNISA+定期保険

共働きの理想設計(例)

【世帯年収700万円・子2人】
夫(年収450):収入保障 月10万円/就業不能 月18万円
妻(年収250):収入保障 月6万円/就業不能 月10万円
共通:医療5,000円/がん 診断100万円
年間保険料合計(参考):約7〜9万円
→ 見直し前比で年8〜18万円の削減余地

年間5〜15万円削減!具体的な見直しテクニック

テクニック1:必要保障額を“月々の不足額”で計算

必要保障額 = {(月生活費 - 遺族年金 - 配偶者手取り)×12×年数} -(預貯金等)
例)28万-10万-18万=0 → 高額な死亡保障は不要

・ポイント:団信・児童手当・学費のピークも反映/年次で再計算

テクニック2:保険を「分解」し最適化

  • 終身(保障+貯蓄)→ 定期保障+つみたて運用に分離
  • 例:定期500万円=月1,800円/残りをつみたてNISAへ(期待利回り4〜6%)
  • 年間便益:6〜10万円相当の改善も

テクニック3:特約の断捨離

  • 災害割増・リビングニーズ・介護特約など使用頻度が極低のものを見直す
  • 年間2〜5万円削減可能

テクニック4:乗り換え&加入経路最適化

  • ネット生保や団体保険は同条件で安いことが多い
  • 比較例:A社 年5万円 → B社(ネット)年3万円(同条件)
  • 加えて「グループ保険」や勤務先の団体扱いも要チェック

テクニック5:健康体割引・非喫煙者割引の活用

  • 非喫煙割10〜15%/健康体15〜25%などの料率優遇

重要な注意

  • 新規加入が成立してから旧契約を解約(無保険期間を作らない)
  • 告知義務違反にならないよう健康状態の申告は正確に
  • 保険料は年齢・健康・期間・喫煙等で大幅に変動(必ず複数社で見積)

ライフステージ別・最適保険設計の実例

【新婚(子どもなし)】

  • 収入保障(短期・低額)+就業不能中心/医療は最小限

【子育て期(小学生)】

  • 主要収入者の収入保障を厚めに/団信加入なら死亡保障圧縮
  • 第2子誕生・時短復帰・転職などイベント毎に見直し

【教育費負担期(大学)】

  • 死亡保障は縮小/がん等の大病に備え“診断給付金”を厚く
  • 老後資産形成(投資)を主軸にシフト

(本文の数値例は年齢・加入条件により変動します。必ずご自身のデータで試算を)


見直し実行のステップとタイミング

5ステップ

  1. 現状把握(1週):保険証券を集め、年間保険料・保障一覧(Excel/家計簿アプリ)
  2. 必要保障額算出(1週):家計の月支出/遺族年金シミュレーション/配偶者収入見込み
  3. 最適設計の検討(2週):3社以上で同条件見積/ネット生保・団体保険比較/健康体割引可否
  4. 切り替え実行(1か月):新規成立→旧解約/支払方法の年払い化も検討
  5. 定期見直し(年1回):ライフイベント(出産・住宅・転職・昇進)や更新時に再点検

ベストタイミング

  • 出産・進学/住宅購入(団信加入)/転職・昇進/配偶者の働き方変更/更新時・料率改定前

まとめ・アクションリスト

生命保険の見直しは、共働き世帯の“隠れた固定費”を減らす強力な打ち手。画一的な提案ではなく、「月々の不足額」に基づく設計で、必要な保障だけを最小コストで確保しましょう。

今月のアクション

  • 全保険の年間保険料総額と保障一覧を作成
  • 遺族年金の受給額をシミュレーターで確認
  • 3社以上で同条件の見積を取得(ネット生保・団体保険含む)
  • 不要特約と重複保障を洗い出して削除検討
  • 健康診断書類を用意し、健康体割引の可否を確認

注意点

  • 新規成立前に解約しない/告知は正確に
  • 終身・学資は“目的が明確な場合のみ少額で”
  • 営業の不安訴求ではなく、数字と公的保障で判断
  • 年1回の定期点検を“家計の定期健診”に

「親キャリ」では、共働き世帯の家計最適化と将来の安心を両立する実践情報を発信しています。あなたの保険見直しの工夫や節約成果も、ぜひ編集部までお寄せください!

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